|
1985年6月30日までに合計1226例がヨーロッパ18国から協力センターに報告された。百万住民あたり報告数の最高はスイス(9.7),ついでデンマーク(9.4),フランス(7.0)で,米国(48.4)に比べれば低い。ベルギーの状況は特殊で,報告数の74%はアフリカ人である。
1226例中死亡例は626(死亡率51%)。患者の61%は1種類以上の日和見感染がある。男が91%で男女比は11:1。42%が30〜39歳。15歳以下の子供が29例でうち18が患者またはハイリスク群の親を持ち,7例は血液製剤関連,4はリスク因子がない。出生地別ではヨーロッパ1011(82%),カリブ36,アフリカ141,その他38。リスク群別では,ホモまたはバイセクシャルが70%,薬物常用者5%,血液製剤関連5%,リスク因子を持たない者は男12%,女6%。
結論として,ヨーロッパではAIDSが明らかに増加している。1984年中の週間診定数は平均10だったが,1984年12月は11,1985年3月は14,6月は22となった。西ドイツ,フランス,英国の3国が全報告の65%を占めるが,増加はほとんどすべての報告国で明らかになっている。高率の3国についてリスク群の分布は米国とほとんど同じである。
(WHO,WER,60,No.40,1985)
|