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1985年1月までにLaboratory Centre for Diseases Controlは24の検査室から4284のクラミジア感染の報告をうけた。これはWHOウイルス報告システムに報告されるもので,前年の3倍に増加した。96%はC. trachomatis,4%が未同定,C.psittaciの報告は含まれない。
20〜24歳が最も多く(43%),15〜19歳と25〜29歳が21%と20%。男女比は1:1.7で,6ヶ月以下では男が約2倍だが,女性が年齢とともに増加し,15〜24歳では1:2,その後30歳で1:1となる。0〜4歳が全報告の1%を占めるが多くは6ヶ月以下の子供で,出産時の感染とみられる。
検査室診断で人口10万対の分離率は15〜24歳が56.8,ついで6歳以下が21.8で,母子感染の危険性がわかる。分離は生殖器官からが82%,眼1.5%,上気道0.4%,上気道からの分離の大部分は12ヶ月以下の子供,眼の感染は6ヶ月未満の子供が多い。
検査室成績は真の発生率を示すものではない。カナダでは淋病の2〜3倍の非淋菌性尿道炎および子宮頸管炎があり,非淋菌性尿道炎の40〜60%はC. tracomatisによると推定される。報告数の増加は単クローン抗体診断キットができたこと,医療関係者の認識が高まったこと,届出疾患としたことなどによる。1984年の報告はまだ追加があるか,割合はそれほど変らないであろう。
(WHO,WER,60,No.38,1985)
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