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1984年11月,ダーハム郡の小畜殺場で従業員46人中12人に手の皮膚病変があり(屠殺人7,内蔵処理2,荷造り配達2,その他1),このうち8人から綿棒で試料を採取した。全員抗生物質(フラクロクサシリンまたはこれとアンピシリン併用)内服で治療し,11月22日以降新しい感染はみられなくなった。
峰窩織炎のある配達員と食肉処理人(黄色ブドウ球菌感染症の2人を含む)計4人からA郡β型溶血レンサ球菌が分離された。この菌はT型8/25/IMP19(M−ve,OF+ve)と同定され,当時国内の他の畜殺場で分離された菌と同一であった。他の2人からは黄色ブドウ球菌だけが分離された。
この流行は,黄色ブドウ球菌創傷感染を伴ったA郡β型溶血レンサ球菌感染によるものであった。英国の食肉労働者の溶連菌壊疽流行は大部分秋に発生するがこれはこの季節に屠殺処理が増加するかららしい。畜殺場経営管理の不備,医療設備の貧困および従業員の衛生認識の欠如が流行の原因となった。
(CDR 85/33,1985)
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