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Vol.7 (1986/3[073])

<国内情報>
急性出血性結膜炎からのコクサッキーA24(CA24)の分離−中華民国台湾省高雄市


 台湾ではほとんど毎年,あちこちに流行性角結膜炎あるいは急性出血性結膜炎患者が見られる。1985年の9月から10月にかけて高雄市では急性出血性結膜炎患者が多発した。この期間中に市内個人診療所1ヶ所および高雄医学院眼科外来初診患者の結膜ぬぐい液を採取して高雄医学院付属病院のウイルス検査部においてCA24が分離された。これはアデノウイルスまたはエンテロウイルス70のほかに急性出血性結膜炎から本ウイルスが台湾で分離された初めての報告である。

 検出にはHeLa細胞およびHEL細胞が用いられた。2代継代まで94検体中69がウイルス検出陽性であった。そのうち68例がCA24で,わずかに1例がアデノ3であった。そこから任意にとった2株は,山崎修道部長の御好意により,国立予防衛生研究所でCA24変異株(EH24型)と再確認された。本ウイルス分離陽性の患者年齢は表1のごとくである。

 発病後結膜ぬぐい液がとられた時までの日数とウイルス分離陽性率との関係は表2の通りである。

 感染源としては家族内感染33,勤務場所12,友人・隣人2,病院内1,不明20であった。

 全身症状としては感冒気味3,発熱1,下痢1,鼻水1,食欲不振1,無症状61であった。眼症状としては発症が早く,経過が短いとの印象であった。結膜ぬぐい液がとられた時点までの所見としては,結膜出血27,耳前リンパ腺腫脹11,うち9例に疼痛があった。結膜濾胞(++)62,(+++)5,(+)1であった。偽膜形成は見られなかった。



高雄医学院眼科 陳 振武,黄 文龍
実験診断科 林 貴香


表1.CA24陽性68例年齢分布
表2.ウイルス陽性と検査時期





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