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Vol.7 (1986/4[074])

<国内情報>
インフルエンザ様疾患発生報告最終版


 第16報をもって,今シーズン(昭和60年〜61年)のインフルエンザ様疾患発生報告を終了する。

 今シーズンの本疾患の集団発生は,昭和60年10月15日東京都で初発した。昨シーズン(昭和59〜60年)の初発は青森県で,昭和59年10月25日であった。その後昭和60年の末までに,集団発生報告のない福島県,徳島県および沖縄県を除く都道府県および指定都市より集団発生報告があった。集団発生報告の初発より昭和60年末までの累計患者数は,629,509人で過去10年間で最高となった。

 例年,1月下旬〜2月に患者発生のピークを迎えていることから,今シーズンは大流行が心配された。しかしながら,年明けの昭和61年より患者発生が極端に少なくなり,累計患者数は最終的に640,856人となり,昨シーズン(1,052,240人)より少ない患者発生となった。

 都道府県別に患者発生の状況をみると患者発生の多い上位5都道府県(北海道,東京都,福岡県,大阪府,新潟県)で全患者の6割近くを占める。

 今シーズンのインフルエンザの流行株はA香港型であった。昭和60年10月11日,東京都で分離されたのを契機として43都道府県・8指定都市より分離されている。調査対象施設外からのウイルス分離報告も22件であったがすべてA香港型である。

 なお,今週新しく発生した患者数は194人で,北海道,東京都,兵庫県からの報告のみとなっている。また,ウイルス分離報告は1件もない。



厚生省保健医療局結核難病感染症課感染症対策室





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