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1985年のサーベイランス年(1984年12月〜1985年11月)に暫定数91例が報告された。これは1973年に調査開始以来の最低数のさらに1/2である。患者は0〜4歳が53%。5〜9歳が20%,10〜14歳19%,15〜19歳5%,20歳以上3%。入院したのは57%が1〜2月。
前駆疾患は水痘17%,呼吸器感染67%,下痢8%,発熱その他7%。この後2週以内に嘔吐や神経症状を発症。短期の経過を報告した87中死亡例28(32%)。死亡例は目立つから届出られることになるので死亡率は多分過大評価だろう。
以前は少なくとも部分的にインフルエンザの流行型を反映し,この年流行したA(H3N2)型はB型やA(H1N1)型よりもこの疾患と関連が低かった。しかしこの年の発生は以前のA(H3N2)流行年よりも低い。その上比較的コンスタントに発生している水痘でもこの患者は減り続けている。
1981〜84年の低下は10歳以下が中心で2歳以下は低下率が低いために患者に占める割合が上った。報告数の減少は10代以下の子供へのアスピリン投与とReye症候群との関連のリスクが知れわたったためだろう。米国FDAはアスピリンを含む薬剤に,インフルエンザまたは水痘患者への10歳代以下の投与には医師の判断に従うよう注意事項を記載することを指示した。
(CDC,MMWR,35,No.5,1986)
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