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この5月から全国的定点報告システムが導入される。この“Sentinel”notification systemは主として一般開業医,内科医,小児科医から成り,一定疾病の罹病報告を定期的に標準化された形でセンターに報告するシステムである。この届出システムの目的は,1)罹患統計のギャップをうめる,2)ある種の感染症流行の早期警告システムとして機能する,3)病院外診療における問題に情報を提供する,4)臨床医の正しい判断を助ける,5)患者およびプライマリーヘルスケアーに必要な情報を提供する。
このシステムの基準としては1)無記名の定期的データ収集,2)簡便,明快,率直な届出様式,3)優先する臨床診断を報告する,4)プライマリーヘルスケアに関係ある調査項目,5)衛生行政の利用価値,6)一定間隔(ふつう毎年)に新しい調査項目,7)実行計画についての医師の参加,8)政府機関による推進。
第一段階のパイロット研究は1984年以降ベルンで47定点が参加して実施された。さらに第二段階が1985年11月以降進行中である。1986年5月から全国的システムに拡大予定で,ベルン大学と公衆衛生局が協力する。できるだけ地理的に地域を代表する約200の開業医有志の参加が期待される。問題によっては専門家,病院外来診療部,検査室の協力が要請されよう。初年度の項目はインフルエンザ,麻疹,風疹,ムンプス,水痘,帯状ヘルペス,中耳炎および自殺である。
(WHO,WER,61,No.14,1986)
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