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Vol.7 (1986/8[078])

<国内情報>
日本脳炎について


 今年も日本脳炎発生シーズンを迎えたが,当室では今後全国各都道府県,指定都市における日本脳炎患者発生状況およびブタの血清抗体陽性率をおおむね旬報の形で報告していく予定である。

 なお,「疑似患者」は臨床的に日本脳炎と診断されたものであって,血清学的,ウイルス学的診断により他の疾患として診断されれば「転症例」として取り扱う。「真性患者」は,血清学的,ウイルス学的に日本脳炎ウイルス感染の診断がついたものである。

 一方,ブタ情報は昭和41年度から流行予測事業の一環として実施されており,と畜場のブタ血清の日本脳炎ウイルスに対するHI抗体価を測定するとともに,その抗体の2−メルカプトエタノール感受性(2ME)を測定して,新鮮感染かどうかを調べるものである。

 日本脳炎ウイルスはブタの血液中で増殖することが知られており,本事業のブタの抗体調査は,日本脳炎ウイルスの侵淫度の指標となり,本ウイルスの汚染の警報の有力な手段を提供している。

 ブタ情報:表参照

 患者情報:現在までのところ患者の発生報告はない。日本脳炎患者は,昭和47年以降100人を割り,昭和52年には4人になったが,昭和53年には75人に増加した。昨年は一昨年に比べ7人増加して39人となっており,都道府県別にみると,和歌山県6人,広島県5人,福岡県・熊本県各4人,愛媛県3人,千葉県・石川県・三重県・兵庫県・奈良県各2人,青森県・栃木県・愛知県・滋賀県・山口県・佐賀県・鹿児島県各1人となっている(伝染病統計)。

 ウイルス分離:大分県において,6月24日および7月1日に採取したコダカアカイエカ,並びに6月30日採血したブタ血液より日本脳炎ウイルスが分離されている。



厚生省保健医療局結核難病感染症課感染症対策室


8全国日本脳炎情報 No.1・2





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