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Vol.7 (1986/10[080])

<外国情報>
ポリオワクチン関連症例−英国


 1986年3月13日,ワクチン歴のない23歳男性が球麻痺を発症,ベンチレーターで24時間処置し,次第に回復している。3型ポリオウイルスが糞便から分離された。患者の7ヶ月齢の息子が1月27日に1回目の生ワクチン投与を受けた。

<編集者註>息子のワクチン投与後47日目の発症なので,本例はワクチン関連接種例のWHO規準すなわち「ワクチン投与者との接触が明確で投与後7〜60日に発症した例」に合致する。1969年WHOは生ワクチン使用に伴うリスクに関する情報収集の共同研究を組織した。これによればセービンワクチンは最も安全性の高いワクチンで,リスクは投与者において6.7百万人対1,接触者はワクチン供給数5百万対1である。しかし野生ポリオがほとんどなくなった国ではワクチン関連症例が注意をひく。たとえワクチン投与者における患者は避けえないとしても,接触例はなくせるはずである。これらの多くはワクチン投与を受けた子供に接触した成人なので,ワクチン投与者に接触する親や成人で免疫の証拠がない場合は子供と一緒にワクチン投与を受けるべきである。

(WHO,WER,61,No.27,1986)






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