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1980年1月から1985年12月までの6年間に東京在住の合計1,911,305の健康者のふん便からサルモネラの検出を試みたところ,2,615名(0.14%)の保菌者が発見された。そこで,これらの保菌者が,カメ,イヌ,ネコのいずれかを飼育していなかったか,また,ふん便検査の前後一週間の健康状態はどうであったかアンケート調査を実施したところ,1,558名が回答を寄せた。そして,そのうち512名(32.9%)がカメ,イヌ,ネコのいずれかを飼育していた。すなわち,135名(8.7%)がカメ,238名(15.3%)がイヌ,139 名(8.9%)がネコを飼育していた。
また,カメを飼育していた保菌者のほとんどが6歳から15歳の若者によって占められており,その79名(58.5%)が何らかの健康異常を自覚していたことが判った。残りの56名(41.5%)は何の異常も訴えていなかった。
これら保菌者からの分離菌113株の血清型は37血清型に及び,その中には,アメリカでカメ関連株として指摘されたS. litchfield 12株も含まれていた。
東京都予防医学協会検査研究部 小野川 尊
Table 1.Incidence of healthy carriers of Salmonellae in Tokyo(1980-1985)
Table 2.Salmonellae carriers who had been keeping pet animals
Table 3.Health conditions of Salmonellae carriers who had been keeping pet turtles
Table 4.List of serovars of the isolates obtained from the carriers
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