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1985年の最初の9ヶ月に,1984年の2倍以上にあたる6,020例のペニシリナーゼ産生リン菌が報告された。これら全例の71%をニューヨーク市,ロサンゼルスおよびフロリダの3地域が占めている。3つの地域とも1985年に著しく増加し,ニューヨーク市では前年の226%(1,015),ロサンゼルスでは前年の117%(389),フロリダでは前年の161%(2,898)であった。
フロリダでは,報告の7%をペニシリナーゼ産生リン菌が占め,州の最南端に集中している。症例は1981年以来連続的に増加し,徐々に北方にひろがり,フロリダの67郡中36郡がペニシリナーゼ産生リン菌を報告した。全リン病報告例中ペニシリナーゼ産生リン菌の率は,マイアミ市を含むデイド郡で最高(35%)で,1月の25%から9月の51%へと増加している。
ペニシリナーゼ産生リン菌患者は男性(67%)および黒人(86%)が多いが,この比率はペニシリナーゼ感受性リン菌の比率とあまり差がない。患者のインタビューによると,処方箋なしで抗生物質を用いたり,麻薬に関連のある場合や,一時的売春がこの流行に関係していることが示唆される。患者対照調査を実施中。
(CDC,MMWR,35,bP,1986)
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