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1982年から86年にフロリダの西Palm Beach地区の3つの町から79例のAIDSが報告された。この発生率は295/10万で米国全体の10.8/10万に対し著しく高い。64例は男性。HIV感染母親から生まれた3例以外は13歳以上。63例はハイリスク群に属し,残り13例中10例は調査前に死亡。この地域の特長は他の地域に比べ,麻薬常用者(31.6%対13.1%),ハイリスクの性交相手(35.5%対18.5%)またはリスク因子のない者(17.1%対4.8%)が多いことである。
AIDS多発地区で比例抽出法でインタビューとテストが実施され,テストされた959人中30(3.1%)がELISAとウエスタンブロットの両方で抗体陽性,1人はAIDSと診断された。
HIVの節足動物による伝播が疑われているのでこの地方で流行している5種類のアルボウイルス,すなわちTensaw, Maguari, Keystone, St. Louis脳炎,Deugue2に対する中和抗体がプラック減少法で測定された。HIV感染者27例と非感染者603例間で上記アルボウイルスに対する抗体保有率に有意の差はなく,蚊による伝播の可能性は認められなかった。
(CDC,MMWR,35,39,1986)
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