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1983年に開始された女子生徒および成人女性の風疹予防接種キャンペーンの評価のために40万妊婦の血清検査成績の集計が進行中である。
マンチェスターの調査結果では,風疹免疫のない出産前妊婦は1984年2.7%で,未経産婦より経産婦が低率だった。全体で1985/86年の33%の感受性妊婦が経産婦だった。普及活動によって免疫のない者の出産後のワクチン接種は1986年におよそ80%に達した。出産前スクリーニングで免疫のないことがわかって中絶した170名については,スタッフの努力にかかわらず44%しかワクチン接種を受けていなかった。ルチーン検査でで感受性であった2,272の妊娠していない者のうち63%のみがワクチンを接種し,ナースの働きかけであと9%がワクチン接種を受けた。
1985年に98例,1986年は40週までに180例の妊婦の風疹感染が報告された。この2年は流行年ではない。このうち44%は経産婦で,25%が2人以上の出産歴があった。現在までに追跡した254名中21名は以前に免疫ありといわれており,また8名はワクチンを接種したことが確認されていた。
調査成績は妊婦の感受性率がすでに最低レベルに達していることを示している。しかし,対象集団の全例ワクチン接種には至らず,数は少ないとはいえ妊婦感染がみられ,またこれらの約半数は経産婦である。
1985/86年の妊婦感染者中29例が以前に免疫ありといわれていた者で,このうち16例(55%)は不顕性感染であった(これ以外では不顕性は9%)ことは,再感染が示唆される。しかし,29中13例は中絶し,残りの妊娠継続者で現在までに先天性感染児3例が確認され,1例は先天性異常があった。
(CDR,87/03,1987)
Pregnant women with rubella
PHLS reports January 1975-September 1986
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