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Vol.8 (1987/5[087])

<外国情報>
輸血によるHIV感染−米国


ニューヨークの白血病患者について,HIVに対するルチーン検査開始前の血液または血液成分を頻回投与された者のHIV抗体陽性者をしらべた。1978〜86に輸血された182死亡例と22生存白血病患者合計204例中HIV抗体陽性者は16名(8%),平均投与数は血液が27単位(2〜56),血漿板が137単位(10〜483)であった。1単位あたり平均リスクは0.05%となる。

輸血感染者からの家族感染報告としては,(1) 1982年輸血を受け,2年後死亡した患者の妻が84年末に発症。(2) 1978年4単位の輸血を受けた妊婦が2年後に出産した男児が生後13ヶ月で発症し1986年死亡。母親,息子,夫,および輸血後すぐに生まれた子供のすべてがHIV陽性。

1984年の血液等使用量1,800万単位,ドナーの60%が原疾患で死亡するとし,初期は感染供血者が少なかったことから推定すると,1978〜84年の輸血関連HIV感染生存者はおよそ12,000人とみられる。

(CDC,MMWR,36,10,1987)






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