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1987年4月30日までにWHOに報告された1986年のコレラ発生数は46,473例(前年は40,510)であった。以前として届出されない国でコレラが発生していることが他の情報から推定される。
アフリカは増加した。これはソマリアにおける引き続く流行とモーリタニアとシェラレオネの広範な流行による。他は減少傾向で,1985年発生報告のあったアフリカの5国で1986年は明らかに発生がなかった。米国はメキシコ湾岸で甲殻類を介した多数の国内発生を報告,病原体はtoxigenic V. cholerae O1: Eltor, Inabaで,この菌はルイジアナでは患者発生報告のない町の下水にみられ未確認患者の存在が疑われている。アジアは著しく減少した。明らかに届出が不備な国があることによるものだが,イラン,タイなどで減少がみられた。ホンコン,サウジアラビアの発生はすみやかにコントロールされた。1986年はヨーロッパで散布がみられた。5国が輸入および2次感染を52例報告,目立ったのは,フランスにおける8〜10月の37例の発生で,大部分は母国での休暇から戻ったアルジェリア人であった。
(WHO,WER,62,20,1987)
Table 1. Global cholera situation, 1980-1986
Table 2. Cases of cholera notified to WHO, 1986
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