HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.8 (1987/7[089])

<外国情報>
学校のサルモネラ症−米国オクラホマ州


 1986年4月2日〜6日に,オクラホマの公立学校の学生と職員2,130人の間でサルモネラ症流行がおこった。4校で420人に面接が行われ,40人(9.5%)が流行期間中に下痢(24時間中に3回以上)をおこした。これから,病例数は202人と推定された。随伴症状としては,嘔気,嘔吐,腹部けいれんと発熱がいずれも73%以上あり,22人の学生と職員が胃腸炎で入院した。27人からS. heidelberg,5人からS. stanleyが分離された。罹患率は教師よりも学生の方がやや高かったが,年齢,性,学年,あるいは出席校による差違はなかった。33人の学校カフェテリア従業員中11人が4月2日以後下痢症状を呈し,カフェテリアの鶏肉を食べたことと強く関連した。

 4校で出されている全食事は1ヵ所で調理された。食品調理の過程の調査と,オーブンの試験の結果,冷凍チキンの調理と保存の温度が不適切だったことがわかった。対策として強調されたのは,従業員の衛生教育,さらに,冷凍肉は氷室で解凍し,調理温度74℃以上,保存は60℃以上か7℃以下を確認するため肉用温度計を使用すること,調理後すみやかに食することである。

 米国では鶏によるサルモネラ食中毒が多く,15の鶏処理場の調査ではマーケット出荷用チキン生肉の2.5〜77.5%がサルモネラに汚染し,分離株の25%をS. heidelbergが占めた。1973〜84年にCDCに報告された食中毒2,984中,学校関連は190例,このうち25%が鶏が原因である。

(CDC,MMWR,36,bT,1987)






前へ 次へ
copyright
IASR