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今年も日本脳炎発生シーズンを迎えたが,当室では,今後全国各都道府県,指定都市における日本脳炎患者発生状況およびブタの血清抗体陽性率をおおむね旬報の形で報告していく予定である。
なお,「疑似患者」は臨床的に日本脳炎と診断されたものであって,血清学的,ウイルス学的診断により他の疾患として診断されれば「転症例」として取り扱う。「真性患者」は,血清学的,ウイルス学的に日本脳炎ウイルス感染の診断がついたものである。
一方,ブタ情報は昭和41年度から流行予測事業の一環として実施されており,と畜場のブタ血清の日本脳炎ウイルスに対するHI抗体価を測定するとともに,その抗体の2−メルカプトエタノール感受性(2ME)を測定して,新鮮感染かどうかを調べるものである。
日本脳炎ウイルスは,ブタの血液中で増殖することが知られており,本事業のブタの抗体調査は,日本脳炎ウイルスの浸淫度の指標となり,本ウイルスの汚染の警報の有力な手段を提供している。
(参考)
日本脳炎汚染地区(◎印)の判定基準については,従来一部に,HI抗体陽性率および2ME感受性抗体保有率がともに50%以上の場合に汚染地区という考え方もあったが,検査対象ブタの頭数に限りがあることおよび検査間隔から判断して,「HI抗体陽性率が50%以上であり」,「2ME感受性抗体を保有するブタが1頭でも検出される」という条件により,汚染地区と推定することが適切と判断されたので,今後は,この基準によることとした。
*HI抗体価検査(血球凝集抑制反応検査)
被検血清にウイルスを混和し赤血球浮遊液を加え,一定時間後に赤血球の凝集を見て抗体の有無を調べる(凝集すれば免疫なし)。
*2ME(2−メルカプトエタノール)処理法
1:40以上のHI抗体価を示す検体について,これが新鮮感染抗体かどうかを判別する。
と畜場のブタの日本脳炎抗体保有率 2ME感染性抗体陽性検出地区のみ抜粋
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