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Vol.8 (1987/12[094])

<外国情報>
インフルエンザ−世界


 前シーズン以降のインフルエンザ報告は表のごとくである。前年の主な流行株であったA/台湾/1/86(H1N1)類似株は低レベルにアジアおよびオセアニアで,また,集発が南アフリカで報告された。A(H3N2)は散発例のみが報告されている。米国では8月末アラスカを出た旅行グループの1例から分離された。B型は最も多く分離されている。オーストラリアで局地発生,ニュージーランドで流行した。他は局地的または散発例,米国ウィスコンシンではフィリピン帰りの子供,ハワイでは10月に14歳の子供から分離された。

 依然として世界では3つの型が浸淫している。AH3ウイルスは1968年に出現して全年齢にひろがり,その後変異を生じつつ7シーズンにわたり米国で超過死亡率を示した。AH1ウイルスは20年ぶりに1977年に再出現し,1978〜79,1983〜84,1986〜87年に小流行した。1955年前に生まれた人は免疫をもつので感染しないか軽症ですみ,感染は子供や青年が主である。

 B型は1930年代に分離された。1930年代〜1970年までの9回の流行が超過死亡率を示した。その後1970〜79年の数回の流行では感染は子供と青年が主で超過死亡率と関連しなかったが,B/シンガポール/79出現時,再び超過死亡率が老人にみられた。その後1983〜84年,1985〜86年に米国で流行した

 AH3とBがともにこの冬流行しそうなので,ハイリスク者は本年用3混ワクチンの投与がすすめられる。アマンタジンはA型には効くがB型には無効だから,早期型別検査室診断が必要である。

(CDC,MMWR,36,43,1987)



TABLE 1. Influenza activity, by virus type-1987 (through October)*



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