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Vol.9 (1988/2[096])

<外国情報>
りん菌の薬剤耐性監視体系−米国


 過去3年以上,プラスミドを介するペニシリナーゼ産生りん菌(PPNG)の罹患率は増加し,北米合衆国のりん菌感染症の2%を占める。しかし,ペニシリン,テトラサイクリンおよびスペクチノマイシンに対する染色体性耐性菌や,さらにプラスミド性テトラサイクリン耐性りん菌(TRNG)の比率が決定されている地域は限られている。このためCDC・STD部は感染症部および州立地方保健部と協力してりん菌分離株サーベイランスプロジェクトを組織した。4地域の検査室が各5ヵ所のSTDクリニックから毎月,男性患者の尿管分離株の最初の25株の送付をうけ,最小阻止濃度(MICs)とプラスミド性と染色体性を検査する。

 1986年8月から1987年7月の間にりん菌1,420分離株が測定された。19分離株(1%)はPPNG,64(5%)はTRNGであった。1,337の非PPNG,非TRNG分離株のMICの幾何平均(μg/ml)はペニシリン0.19,テトラサイクリン0.66,セフオキシチン0.33,スペクチノマイシン16.5,セフトリアクソン0.003であった。非プラスミド性耐性株中13%はペニシリンに対して染色体性耐性,48%はテトラサイクリンに染色体性耐性であった。スペクチノマイシンあるいはセフトリアクソン耐性の分離株はなかった。

 これは米国における初めての全国的りん菌薬剤耐性プロスペクティブ調査である。従来は流行調査か散発例の報告であった。上の成績はPPNGの最も多いニューヨークやフロリダを含まないのでPPNG頻度は過小評価である。TRNGが高いのはボルチモアで浸淫度が高いのを反映している(ボルチモアを除外すると2%になる)。染色体性耐性株は増加し続けるとみられる。

 (CDC,MMWR,36,No35,1987)






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