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Vol.9 (1988/2[096])

<外国情報>
STD,1985−英国


 1978年,性病研究班が招集され,STDの臨床記録,検査室報告等の全国的年間発生数をまとめることを勧告した。本報は第8回目の年報で,AIDS問題のために発行が遅れた。

 性病・泌尿科クリニックの性病初発報告数合計は,1950年代の戦後の谷から6倍に増加している。最近,梅毒と淋病は減少中で,梅毒は特に25歳以上の男性が1981年の半数となった。思春期以上の淋病はやはり男性で大きく低下した。多分梅毒例の1/2はホモ,淋病例はヘテロセクシャルが主とみられ,淋病で男性が低下したのはホモにおける減少だろう。

 PPNG検出数は前年より減少したが,国内感染の割合(58%)は不変である。non-specific性器感染が増加中で特に女性に多い。1/2は陰部クラミジアで,これは1981年の4倍となった。クラミジア感染は骨盤炎と子宮外妊娠の原因となる。この増加はヘテロ感染が増加していることを示している。尖圭コンジロームと陰部ヘルペスも増加している。前者の増加はパピローマウイルスと子宮ガンとの関係が注目されたためだろう。

AIDSは毎年届出数が倍増している。無症状男性の中間年齢28歳は急性梅毒のそれと一致,臨床症状有は梅毒31歳に対し,AIDSは36歳で,これは8年の潜伏期を示唆する。1986年に国のAIDS衛生教育を開始したが,患者の減少にはまだ数年かかるだろう。

(CDR,87/45,1987)



Pelvic inflammatory disease, gonorrhoea, non-specific genital infection and genital chlamydial infections in women England and Wales 1960-85
Syphills and gonorrhoea in males Clinic returns: United Kingdom 1965-85





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