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1984〜86年,CDCへのライム病報告数は年平均1,500で,ダニ媒介性疾病中最も多い。呼び名はコネチカット州のLymeに由来し,ここで詳細な調査が実施され,IFAとELISAでスピロヘータBorrelia burgdorferiに対する血清抗体が測定された。1985年の罹患率は全体で10万対22,地域により0〜1,156と差が大きい。年齢群では10万対11(20〜24歳)から39(5〜9歳)。83%に特徴ある紅斑,24%に関節炎,8%に神経症状,2%に心臓症状があった。紅斑のあった者の61%は30日以内にダニにさされていた。発疹者の血清反応の感度はIFA30%,ELISA24%であり,発疹後21日以降の血清だとIFA45%,ELISA32%に上昇した。
本研究は,この常在地のライム病が1977年調査にくらべ163%増加し,かつ海岸から内陸部へ拡大していることを明らかにした。血清検査には限界がある。第一期の感度は低く,また,抗生物質治療が抗体反応をさまたげる。一方,第2,3期では95%以上の反応を報告している研究室もあるが,検査は標準化されていないし,実施がむずかしい。ライム病は今後サーベイランスを強化するに値する国家的および国際的問題である。臨床的には合併症および有効薬剤の研究,さらに,啓蒙とベクター対策が要求される。
(CDC,MMWR,37,No.1 1988)
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