Vol.9 (1988/7[101])
1985年の細菌性食中毒の発生は前年に比べ16%の減少であった。サルモネラ(15%減),ウェルシュ菌食中毒(15%減),ブドウ球菌食中毒(35%減),セレウス菌食中毒等がいずれも減少したためである(表1)。集団発生件数もブドウ球菌食中毒以外はいずれも減少した。病院内集発は36件で,前年とほぼ同数であったこと,施設内発生ではウェルシュ菌食中毒の比率が高くなっていることが特徴的である。 サルモネラ感染症によって1985年には39名が死亡した。(前年は48名)。胃腸炎症状あるいは下痢を伴った菌血症によるもので,これらのケースはほとんどが他の疾患にかかっていた。英国におけるサルモネラ血清型の分布を図1に示す。 大腸菌食中毒はETECによる成人の集発,エルシニア食中毒は小児科病棟での集発であった。カンピロバクター食中毒は前年の11%増であった(表2)。 (CDR,88/08,1988) Table 1 Figure 1 Table 2