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Vol.10 (1989/1[107])

<外国情報>
ウイルス疾患サーベイランス,1987−シンガポール


インフルエンザ:めだつ集発はなかったが,毎月分離またはIFAでウイルスが確認された。Bは1〜3月をピークに1年を通じ検出,抗原性はヘテロでB/ビクトリア/102/85/,B/北京/1/87,B/ビクトリア/2/87およびB/アナーバー/1/87類似型。A(H11)は7〜9月に分離されA/シンガポール/6/87およびA/台湾/1/86類似型。A(H32)は6〜12月に散発的に発生,抗原的にヘテロでA/ローマ/6/85,A/ビクトリア/7/87およびA/四川/2/87類似型。

他の呼吸器ウイルス:RSVは毎月20〜30例を主にIFAで検出,百日せき症状49中11例からRSVが分離された。パラインフルエンザ1および3型が4〜6月に増加,さらに3型は8月から12月まで少数検出。アデノ1,2,3,5型が呼吸器材料から,11型が出血性膀胱炎の尿から,型不明が便とbuffy coat bloodから分離。

ウイルス肝炎:妊婦795/25,228(3.2%)がHBs抗原陽性。このうち294(1.2%)がHBe陽性。急性肝炎症状を示したHBキャリア男性1名がデルタ抗原陽性。

単純ヘルペス:陰部ヘルペス初感染の調査は,1987年に終了。発生75例中65からウイルス分離,42が初感染(1型17,2型24,不明1),23は再感染で初の性器感染(1型6,2型16,不明1)。他の国と同様1型初感染の頻度がかなり高い。売春婦は8/142(5.6%)がウイルス排出,125例の抗体調査で2型に高抗体価を示したのが92(73.6%),1型が6(4.8%),残りは陰性か中間値。

風疹:1976年女子学童にワクチンを導入。1987年17〜41歳の妊婦100名のHAI抗体調査で85%が陽性(1972,75〜79年は50%)。CRSは2例。

 CMV:379検体(尿,唾液,buffy coat blood,培検材料,腎・骨髄移植関連,子供および免疫抑制患者材料)のうち,85(22.4%)がウイルス陽性。骨髄,腎提供者および移植者372 例の抗体調査で90%が陽性。

ウイルス性結膜炎:1987年11〜12月に軍隊および新人警官に流行があり8例中6からCA24を分離。9月に他の患者からも分離された。

(ENB,XIV,11,1988)






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