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Vol.10 (1989/2[108])

<外国情報>
HTLV−I抗体スクリーニングテストのライセンス−米国


 FDAが上記テストを認可した。これにより検査の増加が見込まれるため,検査のガイドラインが示された。要点は,認可されたスクリーニングテストの「くりかえし陽性」例は,さらに特異的な試験を実施しなければならないこと,およびこの検査はHTLV−TとHTLV−Uを区別できないことである。

 ガイドラインはHTLV−TおよびHTLV−Uに関するBackground,血清学的テスト,血清銀行におけるスクリーニング,陽性者の取り扱いおよびカウンセリングについて記載されている。血清学的検査についての要点は次の通り。

認可されたのはいずれもEIAで,製造者が指定したcut off値以上の吸光度を示した検体は初回陽性として再テストする。くりかえして2回以上陽性となった検体は「くりかえし陽性」として確認検査をおこなう。初回のみ陽性はマイナスと判定する。

FDAは確認検査をまだ認可していない。これは研究機関,製造所または一部診断ラボが実施する。Western immunoblot(WIB)およびRadioimmuno precipitation assay(RIPA)が用いられる。Indirect FAは特定のgene productに対する抗体を検出しない。WIBはgag(p19,p24&gag由来p28)抗体に感度がよく,一方,RIPAはenv(gp46&gp61/68)抗体に感度がよい傾向がある。Workig groupの結論は,gag p24およびenv(gp46および/またgp61/68)に対する免疫反応があれば陽性,少なくとも1以上のHTLV−Tgene product(p19のみ,p19&p28,またはp19&env)に反応した場合は“indeterminate”,HTLV−Tgene productに反応しない場合は陰性とした。診断には必ずWIBとRIPA両方の成績が要求される。なお,抗原作成用細胞や抗原作成法で反応に差がでることがある。

 認可された3種のEIAを用いて37抗体陽性を含む血清のレファレンスパネルを試験した結果,感度は97.3〜100%,非流行地の供血者5,000人以上のスクリーニングで特異性は99%以上。しかし,68例がくりかえし陽性,このうち10(15%)のみが確認検査で陽性とされた。

(CDC,MMWR,37,48,1988)






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