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1988年6月,ロンドン市内の日本人ビジネスマンの間で食中毒が発生した。患者は44名,いずれも昼食に和食弁当を喫食した人で,主要症状は,吐き気(90%),嘔吐(89%),下痢(72%),腹痛(66%)であった。発病率は72%,喫食から発病までの時間は2〜3時間であった。原因菌はエンテロトキシンA産生のStaphylococcus aureusで,患者便および検食の全てから,本菌と毒素が検出された。検食からはS. aureusの他,E. coli,B. cereusも分離され,調理場の環境不備も指摘されている。
(CDR,89/02,1989)
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