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ロサンゼルス地域の麻疹報告(513例)が1988年の米国報告例(2,933)の17.5%を占めた。感染率(6.4/10万)は他の地域の5.3倍である。初期は学童および成人が主だが,5月には5歳以下が増加した。患者の42.5%はワクチンによって防御可能な者である。現状で防御不可能患者の66.5%はワクチン対象年齢以下,24.6%は既接種者である。報告中122(34.4%)が入院,肺炎35例(9.9%),脳炎3例,髄膜炎2例。1例の血友病およびAIDS関連症例では肺炎,呼吸器障害,脳炎がみられたが免疫グロブリンとribavirin投与で回復した。死亡例は2で,いずれも他の疾患で入院中の院内感染。
7月21日,当局はワクチン投与年齢を12ヵ月まで下げ,マスコミを通して呼びかけるとともに,関係機関にワクチンの普及と患者の隔離および医療関係者のワクチン接種を勧告した。秋に大学で47人の学生および職員が罹患し学生2万人中3,700人がワクチンを受けた。当局は大学入学時,前提として麻疹および風疹免疫証明をとることを要求している。
(CDC,MMWR,38,bS,1989)
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