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Vol.10 (1989/7[113])

<国内情報>
日本語学校就学生に対する結核検診結果(中間集計)について


平成元年6月15日(木)



 1.検診の経緯及び目的

 今回の検診に至った経緯は,昭和62年9月,千代田区が区報に結核に関する啓発記事を掲載したところ,同年10月神田保健所管内のT日本語学校校長から在校生の結核健康診断の依頼があった。検診結果は,受診者105人中4人の患者が発見され,発見率3.8%という高率だった。このようなことから,東京都および特別区においては,昭和63年度から実態把握のため受診機会の少ない日本語学校の就学生の結核検診を行ってきた。このほど中間集計を行ったのでその概要をお知らせする。

2.検診受診者

 一次検診受診者数 13,117人

 外国人就学生受入機関協会議(以下「外就協」という)に加盟している都内の日本語学校116校(昭和63年7月現在)のうち結核検診を希望した92校の在校生で検診を希望した者。

(※外就協とは,法務省入国管理局協力団体である。)

 3.実施結果(昭和63年5月から平成元年3月末までの受診者)

・在校生数:外就協に加盟している116校の在校生は約23,500人,今回検診を行った92校の在校生は約20,600人

・学校所在地:19区(23区のうち墨田,大田,世田谷,葛飾を除く)及び武蔵野市

・要医療者数内訳:男女別 男30人,女26人

 年齢別 10代2人,20代38人,30代16人

 国別 中国23人,韓国14人,フィリピン7人,台湾5人,その他7人

・精密検査未受診90人については,精密検査を勧奨中

 4.当面の対応

 (1) 要医療者については,結核予防法を適用するなど,適切な医療が受けられるよう指導を行っている。

(2) 発見された患者と接触した者についても,保健所において検診を行っている。

(3) 日本語学校及び就学生等に対する普及啓発活動を今後も行っていく。

(4) 昨年度に引き続き実態把握に努めるとともに,平成元年度も結核検診を勧奨するなど適切に対応していく。

(東京都医師会感染症予防検討委員会資料)



東京都衛生局公衆衛生部








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