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1987年および1988年の報告数は36および20例で,これは1976年全国調査開始以来最低数である。患者の80%は嘔吐や神経症状発症前3週間以内に前駆疾病があり,87年と88年では上気道症状18と9,水痘が7と4,下痢が3と2であった。両年とも約50%が1〜3月つまり水痘およびインフルエンザ(1987年はA(H1N1),1988年はA(H3N2)のピーク月に発生している。両年とも17が5歳以上,19と3が5歳未満。死亡率は29%と30%。
1980年以降の患者数の低下は,子供のアスピリン投与のかかわりあいが周知してきたことと一致する。また,1986年以降,アスピリンを含む薬のラベルに危険性を記すことが要求されている。ライ症候群は約20の代謝異常との鑑別診断が必要。85年以降,半数(40〜60%)の患者が10歳以上なので,関係者は年長児や親にアスピリン使用について警告する必要がある。米国では発生数の減少とともに関心が薄らいでいるが,本疾病の疫学モニターを適切に行うために,報告を続けられたい。
(CDC,MMWR,38,18,1989)
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