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次のシーズンのためのインフルエンザワクチン製造株
(本月報10巻158頁既報)
としては,A(H1N1)型およびA(H3N2)型は前年と同一株が用いられる(ただしA(H3N2)型は2株のうち1株,A/四川/2/87のみとされた)のに対し,B型では前年と異なる2株,B/山形/16/88(100C.C.A./ml相当量)と,B/長崎/3/87株と同一抗原型であるB/愛知/5/88(200C.C.A./ml相当量)が決定された。なお,B/山形/16/88は,1989/90シーズンのWHO推奨ワクチン株である。
日本では1987/88シーズンにはB型とA(H3N2)型の混合流行がみられた。B型の流行株は,HAに対する抗原分析で3つの群に分類でき,その割合は,ワクチン株であったB/長崎/1/87類似株10%,B/愛知/5/88類似株67%,B/山形/16/88類似株23%であった。
さらに,1988/89シーズンの主流行はA(H1N1)型であったが,一部でA(H3N2)の分離がみられた。また,3月以降にB型の局地的な発生例が報告され,B/愛知/5/88類似株とB/山形/16/88類似株がほぼ同程度に分離されている。
予研 ウイルスリケッチア部ウイルス3室
表
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