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Vol.10 (1989/12[118])

<外国情報>
サルモネラ食中毒−英国


 1989年6月,夕食会に出席した14名中12名が下痢を主徴とする胃腸炎症状を示し,無症状者1名を含む13名からS.enteritidisファージ型4が分離された。原因食は鱒の卵詰めであることが喫食調査の結果判明した。残品の鱒および卵のいずれからもサルモネラは検出されなかったが,卵を供給した鶏舎の調査で,35羽中25羽の鶏の内蔵および55羽中2羽の拭き取り材料,さらに鶏舎の残飯等から同一菌が分離された。本事例は,英国内で流行している卵が原因と推定されるS.enteritidisファージ型4による食中毒のうち,ウェールズ地方から報告された7件中の1つである。

 この事例とは別に,S.enteritidisファージ型4による食中毒が1989年2月,長期療養の老人病院で発生した。4名の患者と1名の保菌者が見つかったが,患者間の交流はなく,いずれも病院の給食以外は食べていないことから,病院内で調理され,給食されたスクランブルエッグが共通原因食と推定された。罹患率が低いこと(4/92),症状が比較的軽度であることから少数菌による感染と思われる。

(CDR,89/42,1989)






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