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Vol.11 (1990/4[122])

<外国情報>
新生児ボツリヌス症−英国


 1989年7月に北イエメンで生まれた女児が生後2ヵ月で発症,10月英国で入院した。主に母乳だが一部でミルク,また,2ヵ月齢から蜂蜜とハーブ製品が与えられていた。入院時,C.botulinumは認められなかったが,B型毒素が便材料から検出された。血清,蜂蜜,ミルクは菌,毒素とも陰性だった。輸液と経鼻栄養補給で改善,2週間で退院した。本症は英国では過去10年中2例のみ,中東では初めての報告である。本症例は1976年に初めて公認されて以来600例が主に北米から報告されている。米国で蜂蜜が原因とされた例が数例あるが,英国の2例は関係なかった。診断に毒素検出を要するから,実数はもっと多いだろう。

(CDR,90/05,1990)






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