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Vol.11 (1990/4[122])

<外国情報>
オウム病−英国・ミッドケント


 検査情報によると過去10〜15年,オウム病が増加し,輸入鳥類との関連がみられる。1988年のイングランド/ウェールズの血清診断暫定数は459である。ミッドケントでは過去5年ほとんど報告がなかったのに,3週以内にC.psittaciの血清診断確認例が4例報告され,その後の調査でさらに9例が診断された。

 患者13例中3例はガーデンセンターから鳥(後に死)を購入,2例はガーデンセンターを来訪後発症,2例は鳥との接触歴なし,2例は職業上鳥に触れた者,1例はオウム輸入業者で,いずれも異型肺炎または重症の呼吸疾患を示した。他の3例は剥製師の家族で,本人は抗体陰性だが12歳の息子がインフルエンザ様症状でその後結節性紅斑を呈した。9歳の息子と妻は健常だが高い抗体価を示した。感染鳥の籠の監視とテトラサイクリンの給水投与が行われた。C.psittaci感染は家禽,野鳥,家畜に広範に分布しているから,感染防止の手段としては,各方面の教育,ガーデンの構造,購入や飼育の記録と報告などにならざるをえず,鳥の取引きには注意書を付け,もし,呼吸器症状がみられた場合は医師に告げるようアドバイスすべきであると述べている。

(CDR,90/02,1990)






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