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1989/90シーズンは世界的にA(H3N2)が主流を占め,またB型が多くの国で分離された。A(H1N1)は少なかった。A(H3N2)では標準株(A/上海/11/87またはA/イングランド/427/88)と抗原的に差のある株が多くみられ,これらは2群,A/Guizhou(貴州)/54/89型およびA/北京/353/89型に分けられた。A(H1N1)では抗原的に異なる株もみられたが,すべて抗標準株型血清によく反応した。B型ではB/ビクトリア/2/87型とB/山形/16/88型がひきつづき流行し,特に後者が世界中に行きわたった。これから変異がみられる株(たとえばB/香港/22/89)が分離されているが,抗B/山形/16/88血清によく反応した。したがって1990/91シーズンのワクチンとしては次の株が推奨される。
A/Guizhou/54/89(H3N2)類似株
A/シンガポール/6/86(H1N1)類似株
B/山形/16/88類似株
(WHO,WER,65,No.8,1990)
Table 1. Haemagglutination-inhibition tests on influenza A(H3N2) viruses
Table 2. Haemagglutination-inhibition tests on influenza B viruses
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