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Vol.11 (1990/8[126])

<外国情報>
汚染麻酔剤による術後感染−米国


 1990年5月および6月に,CDCの院内感染プログラムに対し,静注麻酔剤プロポホル(ディプリバン)使用による術後感染の報告があいついだ。カリフォルニアで5例(いずれもS.aureus),イリノイで4例(Canadida albicans),メインで2例(Maraxella osloensis),ミシガンで13例(S.aureus)で,各州とも発生は1つの病院に限られ,しかも,2日〜2週間の短期間に集中していた。調査の結果,@プロポホルのロットは病院によって異なり,開封前のアンプルはいずれも無菌であった。Aいずれの病院も麻酔剤は特定の麻酔担当者が調製し,ポンプに取り付けた注射器から投与された。B麻酔剤の調製,投与に際して無菌操作の配慮はなく,しかも同一注射器で複数の患者に投与された。C患者から次の患者へ投与される間に,麻酔剤中で細菌が増殖する可能性を実験的に確かめた(プロポホルにS.aureus 101-2を接種し33℃に放置すると24時間後は105-6となる)。

 以上の4点からプロポホルは使用時に外部から汚染されたものと推察された。

(CDC,MMWR,39,No.25,1990)






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