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1989年7月14日〜8月2日,ジュネーブ国際空港から2km以内の住民5名が入院,マラリアと診断された。いずれも輸血,旅行とは関係なく,全員からPlasmodium falciparum栄養型が検出された。チフス,グラム陰性菌敗血症,中耳炎等が疑われ,診定までに5〜7日かかった。尿路感染が疑われた1名は31日後の血液のみ陽性だった。全員治癒。平均入院期間は14.4日。ヨーロッパでは特に夏が危険で,1989年夏は高温(平均21℃,平均最低14.5℃)だった。空港マラリアの危険性は低いとはいえ,汚染地からの航空機体の定期的殺虫剤の噴霧や医者の注意の喚起が必要である。抗生剤などの薬剤投与で症状が変化し,検出が遅れる可能性がある。
(WHO,WER,65,No.29,1990)
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