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Vol.11 (1990/11[129])

<外国情報>
米大陸のポリオ撲滅運動の進展


 1985年5月,Pan American Health Organization(PAHO)は1990年末までにこの地域から野生ポリオを撲滅する計画を発表した。ワクチン接種率が2倍に上昇したことと対応して患者数は低下し続けている。1989年1歳未満のワクチン3回接種率は73%である。1985年と比べて1989年にはサーベイランスの強化による報告数の増加がみられた(1,100→2,094)が,確認患者数は低下している(340→130)。1989年の2,094報告中,1,964例は非ポリオと診断された(うち最多はギランバレー症候群:43%)。確認例130中24は野生株感染,8がワクチン関連例,残り98例(死亡18,麻痺後遺症61,追跡不能19)についてはウイルス分離陰性例など,検査成績が不備なものが含まれるので,患者数は過大値とみられる。野生株24中16は3型,8は1型。分離は3地域(北西メキシコ,北アンデス地域,北東ブラジル)に限定されている。1990年前半の野生株分離報告は合計3株で,3型1例(北西メキシコ),1型2例(エクアドルとペルー)である。

(CDC,MMWR,39,No.33,1990)






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