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Vol.12 (1991/2[132])

<外国情報>
輸入ペスト−米国


1990年6月,ボリビアから合衆国に帰国した47歳女性の動物学者が腺ペストに罹患していることが判明。初期症状は頭痛,悪寒,発熱,発汗,食欲減退,腋下部痛と腫脹,背部および腰の筋肉痛であった。ボリビアでは風邪の診断でアンピシリンの筋注を受けたが,腋下部痛と腫脹は進行し,咳も出始め,3日後にコロンビア(サウスカロライナ州)に帰した。帰国後腺ペストの疑いで入院,リンパ節材料からペスト菌を検出した。治療はストレプトマイシン1gの筋注(2回/日)を10日間続けた。投与3日目から下熱,快方に向かい1週後に退院したが,その後も外来で治療を続け完治した。患者は発病前1ヵ月間ボリビアに滞在し,齧歯動物の採集に当たっており,その際感染したものと思われる。なお,合衆国の輸入ペスト発生は1966年以来24年ぶりである。

(CDC,MMWR,39,No.49,895,1990)






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