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本報は下痢症ウイルス検査室報告の5年間のまとめである。ウイルス性下痢症は1985年に全下痢症報告の13%だったが,徐々に増加し,1989年は16%になった。1989年はロタウイルスが単独で14%を占め,サルモネラ,カンピロバクターに次いで3番目に多い胃腸炎病因であった。下痢症ウイルスの報告は1985〜89年中58,305例,このうちロタ感染が83%である。正式に検査室から報告された集発は77件,アデノ,アストロによるもの各1件,ロタが26件,SRSVが49件で,発生場所は病院および老人ホームがロタ23件,SRSV30件,さらにSRSVでは結婚披露宴6件,キャンプ9件が報告された。下痢症ウイルス報告例では5歳以下の割合が高く,アデノ,アストロ,カリシでそれぞれ81%以上,ロタで60%,SRSVでは41%だった。
(CDR,90/43,4,1990)
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