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1990/91シーズン中,南,北半球ともA(H3N2),A(H1N1),B型のいずれもが分離された。北半球のウイルス活動は低調で,局地的集発はあったものの,流行報告はなかった。北米,ヨーロッパはB型,日本ではA(H3N2)の集発が報じられた。
A(H3N2)は前季ワクチン株(A/貴州/54/89,A/イングランド/427/88)型が減少し,かわりにA/北京/353/89が主流となり,日本でも集発した。さらに差のみられる他の株が少数分離されている(表)。A(H1N1)分離株は抗A/シンガポール/6/86とよく反応する。B型はB/ビクトリア/2/87型とB/山形/6/88型が分離され,後者が米国,アジア,ヨーロッパの最近の主流だった。B/山形/6/88ワクチン接種をうけた成人はB/香港/22/89およびB/パナマ/45/90にワクチン株と同程度に反応するが,子供では2〜3倍低い。以上の結果,次シーズンワクチン用組成として次が推奨された。
A/北京/353/89(H3N2)類似株
A/シンガポール/6/86(H1N1)類似株
B/山形/16/88またはB/パナマ/45/90類似株
(WHO,WER,66,No.9,57,1991)
Haemagglutination-inhibition tests on influenza A(H3N2) viruses
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