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Vol.12 (1991/4[134])

<外国情報>
老人居住施設におけるカリシウイルス胃腸炎−カナダ


1990年5月17〜25日,老人施設住人15人とスタッフ3人が急性胃腸炎になった。この施設は看護レベル別に3ユニット(重症ケア88床,中等度41床,軽度287床)からなり,食堂は独立,キッチンは共通である。患者11人は中等度施設の住人(感染率27%),他の4人は彼らと濃厚な接触があった。スタッフはキッチンと洗濯係で,いずれも集発開始後に発症した。下痢16(89%),嘔吐9(50%),腹痛/不快感3(17%),発熱者はなかった。大部分24〜48時間で全快,2人が輸液のため入院した。患者7人とスタッフ3人から便材料14が集められ,2人の検体に電顕でカリシウイルスが検出された。便材料と残余食品の細菌学的検査はすべて陰性。発生状況から感染源は単一で,訪問者かスタッフによって持ち込まれたとみられる。速やかな対応が他の施設への広がりを防いだと考えられる。また,不適切な抗生物質投与を避けるために病原診断の重要性が強調された。

(CDWR,16−47,239,1990)






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