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1989年1月,CDCはロタウイルスサーベイランスシステムを確立し,参加99検査室中56(小児科12,地域病院17,大学病院23,衛研2,民間検査所2)が毎月報告を提出した。検出法はEIAが46(82%),ラテックス凝集法4,電顕6である。23ヶ月中に合計48,035検体が検査され,9,639(20%)がロタ陽性,陽性率は2月が最高(36%),10月が最低(6%)だった。陽性率がピークとなる月は地域によって差があり,12月に西部に始まり,南部は1〜2月,北・中央部は2月,北東部は3月であった。ロタ感染は5歳以下の下痢症入院例の1/3の原因とみられ,子供の下痢死亡パターンはロタ感染の冬季性と一致する。1979〜85年に年平均500名の子供が下痢で死亡,このうち20%はロタ感染と推定される。経口輸液の大量投与でかなりの死亡が防げるはずである。ワクチンが開発中だが,数年中に使用可能になるとはおもえない。
(CDC,MMWR,40,No.5,80,1991)
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