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Vol.12 (1991/8[138])

<外国情報>
MRSAの院内感染−カナダ


ブリティッシュコロンビアの一般病院(ベッド数612)で,1990年3〜12月の間に入院患者の18人からMRSAが分離された。分離された18株中16株はpenicillin,oxacillin,erythromycin,clindamycin,tetracycline,gentamicin,ciprofloxacinに,2株はmupirocinに耐性であった。菌血症等MRSAによる感染患者は18人中6人で,残りの12人はMRSAの保菌者であった。患者はすべて高齢で(平均80歳),複数の慢性疾患に罹患し(83%),あるいは寝たきり(78%)で,89%の者がMRSA検出前に抗生物質の投与を受けていた。

1990年12月10〜14日の期間,病院関係者および患者についてサーベイを行い,307名中4名(1.3%)のMRSA保菌者(鼻腔内)を見つけた。MRSAの院内感染制御のために,入院患者のMRSAサーベイの実施,MRSA患者の隔離,病院関係者に対する手洗い等の教育が勧告された。

MRSA患者の治療にはvancomycinが,MRSA保菌者にはmupirocinが用いられた。

(Canada DWR,17−14,72,1991)






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