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Vol.12 (1991/8[138])

<外国情報>
MRSA保菌者の対策−カナダ


南西オンタリオの一般病院(ベッド数249)で,1990年3月〜1991年1月に31人の患者からMRSAが検出された。いずれも保菌者で,皮膚から検出されたのは20名,鼻6名,眼2名,耳1名,喉1名,尿1名であった。31名の平均年齢は76歳,全員が慢性疾患に罹患していたが,抗生剤の長期投与を受けていたのは5名に過ぎなかった。31名中7名は入院時の検査で,2名は入院前の養老院ですでに検出されており,患者間での伝播は証明されなかった。

病院では,手洗い等の衛生教育,MRSA保菌患者の隔離とフォローアップを行うとともに,患者および介護者を含むスタッフからの菌検索を6週間にわたって実施した。新たな保菌者が見つかっても特別な場合を除き薬剤による治療を行わず,菌陰性まで繰り返し検査を続けた。この対策により新たな院内感染事例は出ていない。

なお,MRSAのサーベイおよび対策に当っては,MRSA感染者と保菌者を明確に分けることが大切である。

(Canada DWR,17−14,72,1991)






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