HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.12 (1991/9[139])

<国内情報>
散発流行性脳脊髄膜炎発生に伴う保菌者検索−岐阜県


(1)探知:C商業高等学校(岐阜県瑞浪市,職員118名,生徒数2,352名)のA生徒(1年生,野球部員)が5月28日,発熱40℃,頭痛,悪寒の主訴でT病院(京都府宇治市)に受診,同日入院した。5月30日,細菌検査の結果,流行性脳脊髄膜炎(流脳)と診断,隔離収容された。なお,患者は5月15日に発熱したが治癒し,5月24日に京都府の実家に帰郷していた。

(2)患者家族保菌者検索:5月30日,患者家族3名の検査で,父,母は陰性であったが,弟から流脳菌が検出された。しかし,父は6月1日に発病,隔離された(京都府保健環境部健康対策室)。

(3)C高校生徒接触者の保菌者検索:同高校生徒は通学生徒(2,272名)と寮生徒(80名,野球部員)に区分されている。全生徒の検病調査結果では異常者は見当たらなかった。しかし,患者は寮生徒であったので,寮生徒について詳細に調査した。学校寮は第一棟(40名),第二棟(40名)に分かれており,1室定員4名となっている。患者は第一棟(1年生)に同室者3人と居住していた。この同室者3名について検査した結果,3名とも流脳菌が検出された。なお,岐阜県における流脳発生は1985年3月〜1986年4月に5例の散発発生があった(長沢宏幸他:小児科診療,51,464〜470,1988)。



岐阜県衛生研究所 後藤喜一





前へ 次へ
copyright
IASR