|
カナダワクチン諮問委員会は1989年に発生した2例の麻痺ポリオ例をOPV関連接触者例と認定した。第1例は25歳女性。第1児のOPV初回投与後26日目(8月14日)に発熱,発症,右脚麻痺。ウイルス分離陰性,中和抗体価は1,3型は<1:4,2型に上昇(1:89→1:308)を認めた。パラインフルエンザ1,2,3型,コクサッキーウイルス,ヘルペス,VZVおよびこの時期流行のあったCB5に抗体上昇はみられなかった。1990年6月現在歩行にサポーターが必要。
第2例は31歳男性。第3児のOPV投与後47日目(8月27日)に発症,両脚麻痺。ウイルス分離陰性,中和抗体価は1型<1:8→1:107,2型1:128→1:678,3型1:22→1:107を示し,CB5の抗体上昇は認められなかった。2ヵ月後も後遺麻痺が両手足にみられた。
上記の調査の結果,この2例は,臨床症状が麻痺ポリオに一致し,抗体上昇が最近のポリオ感染を示し,他のウイルス感染が証明されないことに基づき,ワクチン関連接触者麻痺ポリオ例と認定された。
(Canada DWR,17−15,75,1991)
|