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スイスではヒトQ熱は稀な疾病になった。1988〜89年に90例が報告された。年平均6.7/10万人口に当たる。男が女の2倍。全年齢に発生し,季節変動はない。ウシ,ヒツジ,ヤギがCoxiella burnetiiの宿主で感染ダニが野生動物におけるリザーバーらしい。感染動物の羊水が大量のC. burmetiiを排出する。塵埃の吸入が主要感染原因である。感染動物はミルク中にCoxiellaを長期間は移出することが知られているが,実験の結果,汚染ミルクを長期間飲んだ被実験者は抗体産生はあったが発病しなかったので,ミルクによる感染は考えられないことがわかった。Q熱はスイスでは1947年以来コンスタントに減少してきたが,1983〜84年に415例の集発があった。野生動物がリザーバーなのでヒト対策は感染リスクを減らす以外ない。
(WHO,WER,66,No.33,247,1991)
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