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Vol.12 (1991/11[141])

<外国情報>
コレラ−アフリカ


アフリカにおけるコレラ発生の報告は1970年のギニアでの流行が初めてで,1971年末にはアフリカ25ヵ国で患者72,415,死者11,389(死亡率16%)を数えた。その後1980年には16ヵ国から18,742例が,1990年には11ヵ国から39,211例の報告がなされ,その間コレラの報告のない国はアフリカ52ヵ国中8ヵ国のみとなった。1991年にはアフリカでもコレラ発生の異常な増加がみられ,9月19日までに14ヵ国から患者102,000,死者10,391(死亡率10.2%)が報告された。本年は,1975年以降コレラの発生がなかったチャド,1984〜88年まで発生がなかったザンビア,1990年には発生のなかったナイジェリア等で大きな流行が起こったのが特徴である。中でも発生数が最も多かったナイジェリアでは,すでに患者数48,200,死者6,354に達し,死亡率も13%を超えた。原因菌はエルトール小川であった。アフリカでは全土がエルトールコレラの常在地と考えられる。アフリカのコレラ死亡率はアメリカの約10倍で,死亡率を下げるためにも早期の適切な治療が望まれる。

(WHO,WER,66,No.42,305,1991)






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