|
1991年6〜7月に合衆国23州およびカナダで約400例のSalmonella Poonaによる感染が報告された。患者の症状は嘔気,嘔吐,下痢,腹痛,発熱で有症の機関は3〜12日であった。そのうちイリノイ,ミシガン両州の49例,ミネソタ州の20例,ニュージャージー州の17例について調査した結果,原因食としてカンタループメロンが疑われた。7州の集団事例から分離された17株の染色体DNAの制限酵素切断パターンは同一で,本集団発生の原因は同一である可能性が示唆された。
カナダでもS. Poonaが多発し,7月までに72例(うち66例はオンタリオ)が報告されたが詳細は調査中である。ちなみにカナダにおける本菌の発生は年間3〜18例であった。
米国では1990年にも2例の青果物によるサルモネラ食中毒を経験した。青果物の表面は鳥獣の糞便等で汚染される機会も多く,十分な洗浄がなされないままカットされた場合果肉を汚染し,菌の増殖を許す。CDCではS. Poonaによる食中毒を防ぐためにメロンの表面をよく洗うこと,カットしたメロンを冷蔵しない場合は4時間以内に食べるよう勤めている。
(CDC,MMWR,40,No.32,549,1991)
|