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1991年3月グアテマラ市の孤児院で志賀赤痢が発生した。菌が分離されたのは3名で,いずれもShigella dysenteriae 1,トリメトプリム−スルファメトキサゾール(SXT),アンピシリン(Am),クロラムフェニコール(CP),テトラサイクリン(TC)に耐性であった。その他1名の子供が赤痢で死亡した。
同じく3月,グアテマラ市から186kmのラビナルで少なくとも540名の赤痢が発生し,2名の乳児が死亡した。ラビナルでは当所アメーバ赤痢と診断していたが,INCAP(Institute of Nutrition of Central America and Panama)が調査に入り,62名の検便を行った結果,23名からS. dysenteriae 1が分離された。21株はCP,TCに耐性,2株はSXT,Am,CP,TCに耐性であった。
中央アメリカでは1969〜1972年に患者11万2千,死者1万の志賀赤痢の流行があった。この時もアメーバ赤痢と誤診されたため治療が遅れ,流行が広がった。今後とも菌検出と薬剤感受性試験による早期診断と適切な治療が大切である。
(WHO,WER,66,No.36,270,1991)
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