|
米国では非経口感染非A非B(PT−NANB)肝炎は急性肝炎の20%を占める。輸血以外の感染経路がかなり多いことがわかってきた。これらは静注薬使用者,血液に接触した医療従事者,血液透析患者などで,リスクのないPT−NANBの10〜15%を性的接触が占めるという報告もある。最近HCVの非構造蛋白に対するIgG抗体を検出するELISAが開発された。現在IgMまたは抗原は検出できないので急性と慢性感染,感染と治癒の区別はできない。この測定によれば,輸血後NANB患者の80%が抗体(+),抗体陽転までの期間は平均18週。一方,輸血以外のNANBの70%が抗体(+),発症後6週以内に45%,6ヶ月以内に99%が陽転。輸血NANBが推定されたドナーの25%は抗体(−)。供血者の検査ではELISA(+)のうちImmunoblot assay(IB)陽性は19〜20%,さらに保留が20〜24%あるのでIBなど補足試験が必要である。献血者の陽性率は0.4〜1.4%,一方,薬物使用者の陽性率は89%。HCV患者の50%が慢性化する。感染状態,感染経過,疫学調査のためさらに感度の高い試験法,急性/慢性マーカーの解明が望まれている。
(WHO,WER,66,No.34,251,1991)
|